医療ソーシャルワーカーってどんな仕事?仕事内容や必要な資格、気になる収入を徹底解説
介護の悩みは身体的なものばかりではありません。能力的な問題や、社会活動への参加が難しい場合の精神的な不安も多いのが現状です。医療ソーシャルワーカーは、心配事や困りごと、人間関係や金銭面の不安などの相談窓口です。要介護者やその家族が安心して介護を受けられるようサポートします。
目次
医療ソーシャルワーカーとは?
医療ソーシャルワーカー(Medical Social Worker) 略してMSWは、肉体的・精神的疾病による機能障害、能力障害、社会活動上障害、経済的不安などを、解決するために援助・調整を行う仕事です。
はじめての介護や、度重なる入院によって生じる多種多様な悩みの数々。誰に相談していいか悩んでいる要介護者本人やその家族などに対し、あらゆるネットワークを駆使して強力にバックアップします。
医療ソーシャルワーカーの役割や仕事内容とは?
MSWの仕事内容は実に幅広く、それぞれに大きな役割があります。基本的に必要なのは、相談者が信頼して話せる専門性と、的確な状況判断です。
まずは、詳しい仕事内容とメリット、収入についてご紹介しましょう。
知っておきたい役割と仕事内容、求められること
MSWの仕事は、大きく5つに分けられます。
相談者の話を傾聴する
悩みを抱える相談者の話を傾聴し、何が問題なのかを把握します。相談者の希望や理想を聞きながら、時間をかけて相手の状況や心情の理解に努めます。
適切な情報提供
悩みに対するあらゆる制度やしくみを調査し、相談者に情報提供するのも医療ソーシャルワーカーの仕事です。特に高齢者は、ネット情報を自ら検索できない人もいるため、情報があれば解決策もみえてくる可能性がでてきます。
伝えにくいことの通訳
介護を受ける側にも考えている思いがあります。けれど、「できないことをしてもらっている」「言ったら迷惑や負担を増やしてしまう」といった感情が、コミュニケーションを妨げる原因になることもあるのです。
医療ソーシャルワーカーは、要介護者やその家族に寄り添って、施設スタッフとのやりとりに感じる違和感を解消するため、通訳的な役割も担っています。
退所時援助
介護施設からの退所に伴って起こる不安には、今後の生活においての不安があるでしょう。そのため気持ちやモノ、受けられるサービスなどの準備をお手伝いし、退院に向けて良いイメージを作っていくためのサポートも行います。
紹介や連携
医療ソーシャルワーカーが踏み込めないような内容の相談がある場合には、問題解決に最適な機関や施設を紹介し、連携を図ってサポートします。日頃からあらゆるネットワークを構築しておくことも、医療ソーシャルワーカーの仕事です。
医療ソーシャルワーカーはどんな職場で活躍できる?
医療ソーシャルワーカーとして働く職場は、体や心に不安を抱える人が多い場所にあります。具体的には、以下のようなものがあります。
- 病院内の福祉相談室
- さまざまな介護施設
- 保健所
- リハビリテーション施設
同じ症状をもつ人やその家族が集まる場所では、医療ソーシャルワーカーとして複数人を相手に解決策の提案をすることもあるでしょう。
医療ソーシャルワーカーのやりがいとは?
医療ソーシャルワーカーは、特に心理学系・福祉系の専門的な知識をもったプロフェッショナルな人がなる仕事です。悩める人に多くの手助けをする仕事ですので、「誰かの役にたちたい!」という強い思いがある人に向いています。
医療ソーシャルワーカーは一つひとつの悩みを解決し、相談者の笑顔や感謝の言葉があったとき、何にも代えがたいやりがいを感じることができるのです。
医療ソーシャルワーカーになるメリットは?
医療ソーシャルワーカーになるメリットの1つに、働きやすさがあります。ほとんどの業務はデスクワークで、介護業界でも珍しい体力を使わない仕事に分類されます。また余程のことがない限り残業などもなく、ライフワークバランスが取りやすい職業ですから、大きなメリットを感じられるでしょう。
こうした働きやすさは、相談相手として心の余裕も作り出し、より相談者に寄り添って解決策を提示できることに繋がります。非常に人気の高い職業なだけに離職者も少なく、募集がかかれば狭き門となります。そこで合格できれば、大きな自信にもつながっていくでしょう。
医療ソーシャルワーカーの気になる収入は?
医療ソーシャルワーカーの収入は、職場、経験値によっても大きく異なります。実際の求人情報をチェックしてみたものを、いくつかピックアップしてみましたので参考にしてみてください。
【正社員】
A社 月給19.1万円〜31.2万円
B社 月給21万円〜26万円
C社 月給15.1万円〜19万円
D社 月給17万円〜30.9万円
E社 月給17.5万円〜
【パート・派遣】
A社 時給1,200円〜
B社 時給900円〜
C社 時給1,400円〜
D社 時給1,300円〜
E社 時給1,400円〜
転職する機会があっても、一度経験があれば貴重な財産になります。まずは医療ソーシャルワーカーとしての第一歩を踏み出せるよう、求人をくまなくチェックすることも大切です。
医療ソーシャルワーカーになるまで
相談者の強い味方となる医療ソーシャルワーカーですが、実は名乗るための特別な試験はありません。しかし、専門的な知識をもって業務にあたらなければならないため、他の介護資格を有する人が多くなっています。
あると嬉しい資格要件
実際の求人では「無資格でもOK」といった内容があります。しかし、大きな医療機関や介護施設では、医療や介護に関わる国家資格をもつことが必須とされているケースも少なくありません。最低でも福祉系の大学・短大・専門学校を卒業しているか、心理学を専攻していたなどの条件はクリアしたいものです。
社会福祉士や精神保健福祉士などの専門的な資格があった方が、相談者との関りにもより専門的な知見で接することができるでしょう。医療法の改正によって保険加算業務が追加されたことからも、専門知識があり質の高いサービスを提供できる人の方が医療ソーシャルワーカーになるためには有利だといえます。
福祉士からキャリアの幅を広げるなら「医療ソーシャルワーカー」
自分の体を自分でうまくコントロールできないことの不安は、計り知れません。働けないことによる経済的不安、家族への負担なども多くなるのでは?という不安も、誰に相談すればいいか悩んでいる人は多いです。
誰かのために「もっと役立つ仕事がしたい!」と考える人は、ぜひMSWを目指してみてはいかがでしょうか。また、福祉士からキャリアの幅を広げたい人の転職にもおすすめの職業です。
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