小規模多機能型居宅介護の仕事内容を徹底調査。気になる収入ややりがい、今後の将来性がまるわかり
要介護者のいる家庭では、「自分達で介護してあげたい。でも仕事の予定が…」という悩みを抱える人は多いもの。そんなときに活用される施設として最適なのが、小規模多機能型居宅介護です。小規模多機能型居宅介護の仕事はどんな仕事内容なのか、収入ややりがいなども加味しながら詳しくお伝えします。
目次
小規模多機能型居宅介護とは?
小規模多機能型居宅介護とは、文字通り、介護施設のさまざまな機能をもつ登録型介護施設です。登録者数は25名以下と規模が小さく、登録者とその家族が要望するサービスを提供します。利用者は要支援・要介護の認定を受けている方です。
介護施設は、大きく「通所型」「宿泊型」「訪問型」に分類され、それぞれに特化したサービスを提供するのが一般的。しかし、小規模多機能型居宅介護は介護サービスの形にとらわれず、「通所型」「宿泊型」「訪問型」全てを組み合わせた介護サービスが可能で、柔軟性のある対応を得意としています。
受けられるサービスは生活介助や身体介助などが主で、通所型なら送迎もあり、訪問型なら家事なども必要に応じて対応します。要介護者だけでなく、その家族にとっても『かゆい所に手が届く存在』となっているのです。
小規模多機能型居宅介護の仕事内容・はたらく人に求められることとは?
小規模多機能型居宅介護で働いている介護職員の仕事内容は、他の施設と同様、利用者の食事や排泄、入浴などのサポートが中心となっていて、連絡情報や利用者情報の記録、利用者の見守り、施設利用希望者への説明や施設案内なども行います。他の施設との違いは、日々利用者ごとに必要となるサービスが異なること。
訪問介護のAさんやBさんを訪問し、入浴介助や昼食の準備も行いますし、ショートステイの方々やデイサービスの方々の送迎や介助も実施。1つの体制だけに特化していないため、利用者はケースバイケースで利用したいサービスを受けられるのが魅力です。
小規模多機能型居宅介護はどんな人が活躍できる?
通所・宿泊・訪問のどんなサービスも提供する小規模多機能型居宅介護ですが、介護職員には基本的に担当があるため、全ての業務をランダムにこなす必要はありません。ただ、施設によっては介護職員の人数やシフトの関係で、担当外の業務にヘルプで駆り出されることもあります。
そのため小規模多機能型居宅介護では、職場経験が豊富で、通所・宿泊・訪問の介護にも柔軟に対応できる人が活躍できるでしょう。また、担当がデイサービスなら日中、ショートステイでは夜間といった具合に、働く時間をピシっと決めたい人も小規模多機能型居宅介護での勤務は向いているでしょう。
小規模多機能型居宅介護のやりがいとは?
施設を利用する人は25名以下という小規模な施設ですので、介護職員と利用者の顔見知り度も、利用者がサービスを受けるたびに増えていくでしょう。介護を通じて生活や身体の介助を行いますが、話し相手になってあげられることも要介護者の元気を取り戻す大切な役割があります。
信頼関係が築きやすい環境で介護ができることも、自分の仕事に自信がもてる要因になります。またサービス利用者やその家族からお礼の言葉などがあるときには、大きなやりがいも感じられるでしょう。
小規模多機能型居宅介護ではたらくメリット・デメリット
たくさんの介護施設がありますが、小規模多機能型居宅介護ではたらくと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。転職を考えている方は、今の職場とどのようなところが違うのかをチェックしておきましょう。
メリット
さまざまな機能を一括して担う小規模多機能型居宅介護では、シーンによって異なる介護技術を身につけることができます。また、利用者の症状に合わせてサービスも違うことが多いため、よりきめ細かい対応ができるよう成長できるのもメリットでしょう。
要支援・要介護度に関わらず受け入れる体制が整っていますが、あまり重度の方は多くありません。そのため、対応する介護負担が常に重いといった状況は少なく、働きやすいこともメリットといえます。
デメリット
ケースバイケースで働く内容が異なることもあり、1つの施設でしか勤務したことのない人にとっては、業務を覚え慣れるまでにも時間がかかることもあります。これをデメリットと捉えずに、コツコツ学ぶ姿勢が必要です。
多くの機能があるため情報をしっかり整理できる力も不可欠。介護職として経験が浅い人は、行動の計画性や報連相などをしっかり行い、ミスにつながらないように注意する必要があるでしょう。取り組む姿勢や意識の欠如は、介護業界で働く人や利用者にとってもデメリットが大きいため注意が必要です。
小規模多機能型居宅介護の気になる収入は?
厚生労働省が調査した「介護事業経営実態調査結果(※)」によると、小規模多機能型居宅介護では平成26年から平成29年の間に給与費に割り当てられた金額は年々増加しています。その割合は事業費用のうち約68%となっており、超高齢化社会に伴い需要が増え、今後も安定して収入が得られる業界になることが期待されています。
実際に求人をみてみると、19万~24万ほどの収入が見込めるようです。施設の規模や資格の有無によっても変動はありますが、一般的な介護職の収入と驚くほど大きな差はありません。
参考:(※)平成29年度介護事業経営実態調査結果 各サービス別総括表 厚生労働省老健局老人保健課|厚生労働省
小規模多機能型居宅介護ではたらくまでに必要な資格・準備
小規模多機能型居宅介護で働く介護職員に必要な資格は、目指すものによって異なります。施設や訪問介護で介護の知識をもって働きたいなら、介護職員初任者研修は必須です。無資格でも勤務は可能ですが、身体介護はできません。
また、ケアマネージャーになることが目標であれば、介護施設での実務経験5年に加え、筆記試験、研修、名簿登録なども必要です。介護福祉士を目指すなら、国家試験をパスしなければなりません。
応募先の求人を確認して、必要な資格をチェックし、現状で働ける職種があるのかどうかチェックしましょう。また、施設によっては資格取得のためのサポートが充実していることもありますので、確認をおすすめします。
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